レポートやウェブ上で文章を書く際にほかの文章から一部分を持ってくることがあるかと思います。その時になんの表示もなく文章を利用しては著作権の問題に抵触してしまいます。かといって、引用と参考文献をデタラメに表記してしまってもトラブルのもとになってしまいます。
ですので本記事では「引用」と「参考文献」のルールをレクチャーします。
引用について
他人の著作物を扱う際は通常著作権を持つ人の権利が必要です。しかし、一定の例外があり許諾が必要ない場合があります。
実はその一つが「引用」です。
なぜ引用が許諾なしでも許されるのかというと「ベルヌ条約」があるからです。その条約では引用は文化的財産を活かし、発展させるのに必要とされています。ですから引用は日本国内だけでなく世界の著作物にたいして許諾を取らなくとも行えるわけです。
では、具体的な引用をする際のルールはどのようなものなのでしょうか。
引用する際のルール
引用を行う際の主なルールは以下の通りです。
- 著作物を引用する必然性があると
- 自分の著作物と引用してあるところとの区別が明確であること
- 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること
- 出所の明示がされていること
以上のことを順に解説していきます。
著作物を引用する必然性があると
引用は許諾が必要ないからと言ってむやみやたらに行っていいものではありません。自分の主張の補強や根拠、そのほかその著作物である必要がある場合にのみ行うことができます。
自分の著作物と引用してあるところとの区別が明確であること
引用には確かに許諾がいりません。しかし引用文をあたかも自分の文章であるかのように扱ってはいけません。許諾がいらないといっても文章は他人の著作物です。ルールにのっとらないと法律に触れることとなりトラブルを招いてしまいます。
引用部分は「」で囲ったり断落ちさせたりしてそこが引用文であることが誰から見ても分かるようにしておきましょう。
補足ですが、引用の際には間違っても語尾など文章の一部を変えることは行ってはいけません。引用する際は原文をそのまま用いることを徹底しましょう。これを破れば思わぬトラブルに巻き込まれることにもなりますし、もし大学のレポート等であれば単位取り消しなどの思い罰が課されるかもしれません。
自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること
自分の書いた文章と引用した部分の主従関係というと小難しいかと思いますが、要は文章量のバランスのことを指しています。
あなたが今、あるいは過去に書いたレポートやウェブ記事は自分が実際に書いた文章と引用部分の比率はどれくらいになっていますか?
もし、そのほとんどが引用で実際の自分の文章が少ない場合は引用と認められない場合があります。文章のほとんどが引用であるということは、それはあなたの主張ではなく他人の主張同然になってしまうのです。
ただ他人の文章を切り貼りするのではなくて前述したとおり自分の主張の補足程度に引用を使いましょう。
出所の明示がされていること
前文にもありましたが、引用文は自分の文章と区別する必要があります。そして文章の最後に「著者」,「書名」,「出版年」,「出版社」などを明記してどこから引用したのかを明らかにしましょう。
出版年や出版社が分からなくとも最低限「著者」と「書名」は明らかにしましょう。
また、ウェブ上から引用を行った場合には最低限「タイトル」,「URL」,「著者名」を記載しておきましょう。そして、ウェブ上の記事はいつ消されてもおかしくないので「閲覧日」を記載しておくとよいです。
参考文献について
これまでは引用について解説をしてきました。では次に参考文献についてみていきましょう。
まずそもそも参考文献とは、記事やレポートを書く際に参考にした書籍や記事は何なのかを記したものになります。
参考文献を扱う際のルール
次に参考文献を取り扱う際のルールを説明します。参考文献は引用程細かなルールはありませんがとても大切なのでしっかりと理解しておきましょう。
元の文献を明示すること
引用のところでも書きましたが、他社の著作物を扱う際にはしっかりとどこからその文章を持ってきたのかを明確にする必要があります。
参考文献も引用と同じく「著者」,「書名」,「出版年」,「出版社」を書いておきましょう。なお、ウェブ上の記事を参考文献にした場合は「タイトル」,「URL」,「著者名」,「閲覧日」を記入しておきましょう。
まとめ
以上がトラブルを避けるために学んでおくべき引用と参考文献の違いです。上記のことに気を付けて正しく著作物を扱いましょう。そして何より、引用と参考文献に共通して特に気を付けるべきはこれらのルールを理解したうえで他人の権利を侵さないことです。
公正な文章を書いて、まっとうな評価を得られる文章を書きましょう。
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